チャート検証をして自分の手に入れた優位性のある手法を武器に為替相場の世界に踏み込んだ方が最初に遭遇する難関、それはチャートが自分の思い描いていたエントリーパターンになかなかならない、という事だと思います。
チャートがこの形になったら、あるいは、このEMAにタッチしたら、など利益を生み出せるパターンは熟知しているのに、待てども待てどもチャートはそういう風に動いてくれない。
何時間、何日もチャートを見ているだけ。
しかも、結構な値動きがあった場合には、あなたはこう思うのではないでしょうか。
「少しくらい自分のパターンに当てはまらなくても、少々のリスクには目をつぶって、トレードしなくては!」
駄目ですよ、エントリーしては。
そんなトレードは必ず失敗に終わりますので。
待ちましょう。なぜなら、FXは待つ事こそが仕事だからです。
FXは待つのが仕事

FXで利益を上げるには、優位性のある手法とそれを守る鉄の意志です。
この2つが揃わない限り、相場の世界では生き残れません。
自分の手に入れた手法をどんな事があっても守る。チャートがどのような形になろうが、ブログやツイッターを見て、他のトレーダーがどれだけ利益を上げようが、どんな手法を勧めていようが、必ず自分の手法を信じて、チャートがその自分の思い描いた形になるまで待ってください。
ただ残念な事に、この待つという行為が難しいのです。
ほとんどのトレーダーがこの待つ事ができないがために相場の世界を去るのではないでしょうか。
その理由を説明します。
なぜエントリーを待てないのか

その理由は簡単です。
儲け損なうのが嫌なのです。
ダニエル・カーネマンというアメリカの心理学者によって、人間の心理には「損失回避の法則」が働くという事が説明されました。
この「損失回避の法則」によると、人間は目の前に何らかの利益があった場合、その利益が得られないリスクを回避しようとする生き物だという事なのです。
つまり、今、エントリーしなければ、もしかしたら手に入れられたかもしれない利益を見逃す事になるのでは、という心理が働いて、自分のルールを破りエントリーしてしまうのです。
チャートで二つの例を挙げます。
自分のエントリーポイントまで来るのが待てない場合

ユーロ円の15分足チャートです。
5EMAと20EMAのゴールデンクロスがあった後にAの長い陽線が出た後、Bのポイントで20EMAに戻ってきて上昇という教科書通りのチャートパターンです。
あなたはこのチャートパターンを自分のエントリールールとして持っていました。
ところが、Aの陽線が出現した時に、こう思ってしまうのです。
「あ、上がってしまう!儲け損なってしまう!」
Aのポイントでロングした場合、逆行はほぼ40pipsです。
それに対して、自分のエントリールールが「ゴールデンクロス後の20EMAまで戻った時にエントリーする」というものであれば、Bのポイントでのエントリーになるはずです。
この場合、逆行はほぼありません。
そして、Aのポイントでエントリーしてしまい、Bのポイントから再度上昇を始めた時に、あなたはこう思うのです。
「こうなる事はわかっていたし、これは自分の思っていた通りの展開なのに、、、。」
自分のルールを完全に破る場合
ユーロ円15分足チャートです。

あなたが上昇トレンドの時には5EMAと20EMAのゴールデンクロスがあった後に20EMAまで戻ってきたところでエントリーというエントリールールを持っていたとします。
上記のA、B、Cの3点はすべてそうですが、上記のチャートを見てもわかる通り、上昇トレンド中ではなくレンジの状態です。
レンジの時には移動平均線は機能しないという事はもちろんあなたもわかっていますので、エントリールールでは完全に「見送り」です。
しかし、あなたはこう思うのです。
「ひょっとしたら、今回はいけるんじゃないか」
「駄目元で一回くらいエントリーしてみようか。」
「もしも上昇したら儲け損なってしまうし!」
A、B、Cのいずれかでエントリーし、自分の思う方向にレートが進まなかった時、あなたはこう思うのです。
「こうなる事はわかっていたのに、、、。」
どうすれば待てるようになるのか

では、どうやったら自分のルールに従い、エントリーチャンスを待てるようになるのでしょうか。
人間は本能的に損失を嫌う生き物です。その本能に逆らうのですから、並大抵の事では無理です。
ですので、考え方を変えるしかないのです。
あなたはFXをやっています。それは利益、つまり儲けるためです。
その考え方を変えるのです。
利益を求めるのではなく、いいトレードをしようとするのです。
自分の苦労してつかんだ優位性のある手法をもとにいいトレードを心がけてください。
いいトレードをすれば、利益は勝手についてくるのです。つまり、利益はいいトレードを行った結果の副産物と考えるのです。
いいトレードをする事を第一目的と考えるなら、上記の例としてあげた2つのチャートパターンが出現しても、ルールを守れるのではないでしょうか。
とにかく集中しましょう。いいトレードをする事に。
自分の得意とするチャートパターンになり、その後、自分の思った通りに動くチャートは本当に綺麗です。
ですので、ともかく1回だけ、ただの1回だけでもいいのです。
自分の思い描いたナイスエントリーをして、その後に出現する綺麗なチャートを見ようとしてください。
そして、1回そういうチャートを見れたら、もう1回。もう1回見れたら、さらにもう1回とナイストレードを行ってください。
ふと気が付くと、あなたの予想をはるかに超えた利益が上がっていると思いますよ。
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